100万円を超える高額消費の動機とは ハースト婦人画報社がラグジュアリー消費者の分析レポートを発表 - 5月

2024年5月、ハースト婦人画報社が一度に100万円を超える高額消費を分析する調査報告書を発表しました。

 

ハーストの富裕層マーケティング活動「Business to Luxury(B2L)」

ハースト婦人画報社は20を越えるメディア事業の中で、富裕層の共感とその先の志向を捉え続けてきたノウハウ、オーディエンスデータを読み解く独自の視点を育んでいます。

その知見を活かして展開しているのが、ラグジュアリー商材やサービスに特化した富裕層マーケティング活動「Business to Luxury(B2L)」。

本調査では“直近1年以内に1度に100万円を超える高額な支出・購入の意思を決定したか?”の設問で、3,360名の女性回答者の中からその有無、項目、頻度、金額などにより1,014名をセグメントし「ラグジュアリー消費者」と定義し分析しています。

 

高額消費を行うラグジュアリー消費者に注目

今回の分析対象は、年収や純金融資産保有額を前提とせず、直近の裁量支出から特定した消費性向が高い女性消費者。

活発な高額消費の担い手となるには、高い年収や資産による財力を想像しがちですが、実際には年収・資産がそれほど多くないにもかかわらず、個人の価値観を優先して100万円以上の高額消費を実現するラグジュアリー消費者の存在も見えてきました。

 

【調査レポート概要】

・ラグジュアリー消費者は多彩な幸福への希求力が強い

・ラグジュアリー消費者が100万円を超える支出を決めるときに重視していること

・ラグジュアリー消費者を消費傾向でクラスタリング(「美容」「ファッション・ジュエリー」「旅行」)すると?

 

ラグジュアリー消費者は多彩な幸福への希求力が強い

“あなたにとって⼈⽣を豊かにする消費とは?”という設問に対してラグジュアリー消費者の回答は自己表現、向上心や社会的ステイタスの実現、美と健康の追求、日常からの離脱への欲求などに由来する多彩なコメント欄となっていました。

特に「食事」は「家族」「友人」と「美味しい」の結びつきが強く、家族や友人との時間を大切にしている様子がうかがえます。

 

ラグジュアリー消費者が100万円を超える支出を決めるときに重視していることは?

100万円以上の高額消費を決定する際に重視したことは何かという設問に対する自由回答で、ラグジュアリー消費者のコメント欄には「価値」「デザイン」「品質」などの合理的な理由が多く、「ときめく」「好み」「心」などの情緒的な理由も語彙豊かに見られました。

ラグジュアリー消費者の高額消費の動機は理性的であると同時に感性的でもあると言えそうです。

 

上の表は、1年以内の間にラグジュアリー消費者たちが100万円以上の支出をした回数をランキングにしたもの。

多様な項目で1度に100万円以上を支出している様子がうかがえる中、「ファッション・ジュエリー」が1,128回で第1位の結果となっています。

 

ラグジュアリー消費者をクラスタリングすると?

ラグジュアリー消費者の消費傾向の中でもユニークさが際立って見える、「美容」「ファッション・ジュエリー」「旅行」の3項目。

以下では、「美容クラスタ(325人)」「ファッショ ン・ジュエリークラスタ(390人)」「旅行クラスタ(299人)」を抽出し、3者を比較することで見えてきた結果についてまとめています。

 

<美容クラスタ>

「美容クラスタ」は普段づかいでも美容関連への支出が他クラスタより高く、その他の各項目でもバランスよくハイレベルの支出をキープしていることがわかりました。彼女たちは美容、美容関連(下表:化粧品・美容エステサロン・美容クリニック)に月平均約22万円を投じています。

 

<ファッション・ジュエリー クラスタ>

「ファッション・ジュエリークラスタ」は、普段は自ジャンルに予算を集中投下し、直近では海外旅行への関与は低めという結果に。

彼女たちの約56%が「ファッションやジュエリーは担当者(特定の店員や外商など)を通じて購⼊する」、約58%が「ファッションやジュエリーで自己表現する機会が多い」と回答している点から、購⼊時に自分の個性や⽴場を理解してもらいつつパーソナライズされたコミュニケーションを好む傾向が見えます。

 

<旅行クラスタ>

「旅行クラスタ」は美容やファッションへの支出は抑えめ。美容クラスタと同程度の予算で国内旅行をおこなっていますが、海外旅行の予算は突出しています(年額約188 万円)。

彼女たちの約56%が「⻑期で滞在し自己再⽣の時間としたい」、約53%が“旅行先では極⼒何もしないで過ごしたい”という設問に対し「あまりあてはまらない」「まったくあてはまらない」と回答し、他クラスタよりも⻑期滞在かつアクティビティ志向でした。

 

このレポートを通してラグジュアリー消費者、中でも「ファッション・ジュエリー クラスタ」の価値観を理解することは、ジュエリーに関連する今後のビジネス展開において肝要になってくるのではないでしょうか。

 

<調査概要>
・調査主体:株式会社ハースト婦人画報社
・調査方法:自社調査(Webアンケート)
・調査対象:1) ハーストID※登録者「BEAUTY」「FASHION」「ACCESSORY」 「TRAVEL」興味関心者 2)『Richesse』『婦人画報』『25ans』『Harper‘s BAZAAR』定期購読者
・サンプルサイズ:4740s回収(女性3360s回収)
・調査期間:2024年2⽉19⽇(⽉)〜2⽉25⽇(⽇)
※ハースト婦人画報社のメディア読者、Eコマース利用者等の会員組織

 


ハースト婦人画報社「Business to Luxury(B2L)」
URL:https://sp.hearst.co.jp/b2lmarketing/


 

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