Moments in New York – Vol.3 《H.P.F, CHRISTOPHER》

H.P.F, CHRISTOPHERの店頭にいると、お客様から「日本のニュースを聞いたよ。どんな状況ですか?ご家族やお友達は無事?」と頻繁に聞かれます。台風や地震等の被害にあわれた皆さまやご家族には、心よりお見舞い申し上げます。

今年の夏は、ニューヨークも厳しい天気が続き、朝起きたら、あれ?眠っている間に東京に来てしまったかな、と思うほどの高温高湿だったり、夕方にまさにバケツをひっくり返したような雨が降るようなことも頻繁でした。それでも、短い夏を楽しむべく、皆、仕事もプライベートも相変わらず忙しく過ごすんですけれどね。

私は、森の中で、週末を過ごしました。自宅のあるブルックリンから3時間ほど車で北に向かうと、豊かな自然があり、まだニューヨーク州の中です。森に向かう途中で、ジュエリーデザイナーのAtsuko Baumanファミリーのおうちに寄り道し、生まれたばかりの赤ちゃんに会ったり(Atsukoさんについては、また別の機会に!)、ブリュワリーにまたまた寄り道し、屋外の窯で焼いたピザを食べながら、ハードサイダーをテイスティングしたり、夜は、灯りのないテント式の宿で流れ星を見たり、翌朝は滝に打たれたり。。。束の間の、ほんのちょっとの休息でした。

というのも、8月のニューヨークでは、年末のホリデーシーズンに向けたジュエリーやインテリア雑貨の展示会が開催されるため、全米のバイヤーが集まって、賑わいます。そんな訳で、今日はジュエリー業界のちょっと裏側のお話です。

私も、いくつかの展示会をめぐり、デザイナーたちや、会場でばったり会った知人としゃべり通しでした。そのひとつ、ファインジュエリーの展示会 ”Melee the Show” では、思わず長居してしまう会場の居心地の良さとたくさんの話したい人たちとで、気づけは、1日のみの予定が、2日間も通ってしまっていました。昨夏に始まったばかりの展示会の特徴は、主催の2人の女性ジュエリーデザイナーがキュレートしているところ。会場は、人気スポットのハイラインすぐ横にある、The High Line Hotelのイベント&パーティスペースを貸切っています。

ゆったりした空間でジュエリーのサンプルをチェックできるので、バイヤーやデザイナーたちの間で、瞬く間に評判になりました。修道院として使われていた歴史ある天井の高い会場で、終日サーブされるシャンパンのグラスを片手に、ジュエリーをもう片方に手にしながら商談ができるなんて、素敵ですよね。

素晴らしいデザイナーたちのブースと、センス良く配置されたラウンジスペース。ハイクオリティの見応えあるジュエリーが揃う会場に30分居ただけでも、自分の黒目がダイヤモンドになってしまっているかもしれません!このデザイナーのジュエリーを見てみたかったんだ!お話してみたかった!と思うデザイナーばかり。

横のつながりが強いファインジュエリー業界ならでは、会場に足を踏み入れると、フロアを見渡して、手を降ったり、投げキッスをしあったり、嬉しい忙しさです。

日本でもおなじみのロンドンが拠点のSweet Pea Jewelryもこちらに出展しています。彼女自身がパワフルなアイコンで、さすがのドレスアップは、いつも憧れです。話していると、いつもいつまでも自分らしくありたいと思う。彼女から教わったことは数知れず。

H.P.F, CHRISTOPHERのお取り扱いデザイナーで、いつも問い合わせが絶えないサンフランシスコ出身のTura Sugdenは、建築的なスマートなディテールと彼女の石選びの審美眼が特徴。忙しくて疲れているだろうに、キュンとする笑顔をくれました。食の好みが似ているので、新しく試した野菜のレシピなど、情報交換で盛り上がります。

すっきり晴れた会場の入り口で、主催の二人、Lauren Wolf (写真左)& Rebecca Overmann(写真右)をパシャりとしました。二人ともアメリカ西海岸を拠点に活動する人気ジュエリーデザイナーです。Laurenは、LAとオークランドに展開するジュエリーショップESQUELETOのオーナーでもあリます。ESQUELETOには、彼女のジュエリーだけでなく、ジュエリーファンなら誰もが注目したいデザイナーがずらりとセレクトされています。

ご旅行の際には是非!
ESQUELETO | http://shopesqueleto.com/

嬉しいことに、コメントをもらうことができました。

Q:展示会の名前Melee the showの由来を教えてください。

A:ジュエリー業界において、Melee(メレ)とは、2mmもしくはそれより小さな石、一般的にはダイヤモンドのことをさします。この展示会のアイデアは、考えの深いブランドを小さなグループとして集め、ひとつの展示会としてまとめることでした。Melee the showに参加するジュエリーデザイナーたちは、小さなダイヤモンドの一粒一粒で、一緒に集まれば、美しいかたちになるのです。そういうわけで、Meleeという名前はパーフェクトだと感じています。

Q:展示会に参加している皆さんがハッピーに見えました。どのようにこのファインジュエリーに焦点を当てた展示会のアイデアを膨らましたのですか?

A:ファインジュエリーには、集中したり、時間をかけたり、細部にわたる注意が必要で、それで、デザイナーにとっても、バイヤーにとっても、より良い展示会体験となるような、より良い、より小さな会場を見つけたいと、アイデアを温め続けてきました。

Q:ハイライン・ホテルがとても特別で素敵な場所なので、みなさんがMelee the showに参加することを楽しんでいるように見えました。そんな素敵なロケーションをどのようにして選んだのですか?

A:ニューヨークでの展示会シーズン中、Rebeccaはよく21丁目と9thアベニューにあるホテルに滞在していました。それで、いつも近くのThe High Line Hotelにコーヒーを買いに行っていたんです。The High Line Hotelには一目見て、恋に落ちたようなものでした。私たち二人でハイラインホテルのイベントスペースを見学した際に、このロケーションこそ、私たちの考える展示会にぴったりだと思ったのです。

Q:Melee the showについて、気に入っている点は?

A:会場の美しさは、参加者全員が、もちろんお気に入りですよね。そして、アクセスの良い場所にあるということ。落ち着いた空気感も、大きなポイントですね。リラックスした環境であること、バイヤーとデザイナーの双方が心地よく過ごしているか主催者が注意を払えることが、私たちによって、最優先ポイントでした。

次回の開催は、2019年2月1日〜3日を予定しているそうです。ジュエリー業界関係者の方々だけが入場可能ではありますが、インスタグラムでもその様子をちらりと楽しむことができますので、是非フォローしてみてください!

Melee the Show | https://www.instagram.com/meleetheshow/?hl=en


Keiko Anzai

安西啓子 Keiko Anzai

東京生まれ東京育ち、ニューヨーク・ブルックリン在住。
大学在学中より、インテリアやジュエリー店舗にて経験を積んだ後、ファッション分野に移り、バイヤーとして、地球の反対側まで新しい何かを探しに行っていた。 2016年よりニューヨークのジュエリー店舗店長として勤務後、2022年に独立。日米の様々なプロジェクトに携わりながら、自身のジュエリーショップ"ansun"もスタートした。
ansun | https://ansunnyc.com/

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