【連載】basic knowledge of Jewelry vol.3 – ジュエリーのアイテムについて【後編】

ヒコ・みづのジュエリーカレッジ 講師 / 井村裕司氏 所蔵

ジュエリーには、頭の先から足元まで様々なアイテムがあり、時代や流行によって変化し、姿を消してしまったものもあります。前回は頭部の装飾品から、ネックレスまでをご紹介しましが、今回は続けて胸元のブローチから足先までをご紹介いたします。

 

ブローチ / Brooch

ブローチはあまり身につけない。という方は多いのではないでしょうか?
若しくは、なんとなく年配の方のアイテムに感じますか?
個人的には、イチ押しアイテムです! ジャケットやコートの襟、ストールなどに着けるとグッとお洒落になります。 特に冬は暗い色のアウターが多いので、ブローチを一つ着けるだけで印象がガラリと変わります。

 

タイ・バー / Tie Bar

上半身につける男性特有のアイテムとして、「タイ・バー」「タイ・クリップ」というものもあります。 名称は異なりますが、いずれもネクタイにつけるアクセサリーです。

 

帯留 / Obidome

和装に馴染みが無いとなかなかお目にかかることはありませんが、江戸時代からある日本特有の装身具として、是非覚えておきたいアイテムです。 帯の中心にしめる「帯締め」という細い紐の中央につける飾りで、金属で出来ているものもあれば、珊瑚や漆塗りの物、ガラスや磁器など素材も様々です。

写真は銅を「打ち出し」と言う技法で形作り着色を施した帯留です。私の在籍している、東京藝術大学 工芸科 彫金研究室の学生が作ったものです。

左 :「青銅蟹帯留」(上)「朧銀蟹帯留」(下) 東京藝術大学 工芸科 彫金専攻 修士 1 年 松本真実 作 | 中央:金具部分 | 右:写真の紐は帯締めではありませんが、帯締めに通して帯の中央になるよう装着します。

 

ブレスレット / Bracelet & カフリンクス / Cufflinks

手首回りのアイテム。
もう過ぎてしまいましたが、夏は特にブレスレットが映えますね。 基本的には、留め具のあるものを「ブレスレット」。留め具が無く、丸い形状若しくはC型のものを「バングル」と呼ぶようです。 因みに、二の腕につける輪は「アームレット」と言います。

カフリンクス (またはカフスボタン / Cuff Buttons )は男性のシャツの袖口につけるアクセサリーです。

 

指輪 / Ring

最も身近なジュエリーと言っても良いリング。 装着する指の種類や、意味合いで名称が変わります。

□ エンゲージリング / 婚約指輪
□ マリッジリング / 結婚指輪
□ ピンキーリング / 小指につける指輪
□ ベビーリング / 赤ちゃんの誕生をお祝いする小さな指輪

指輪には、土地や時代で様々な意味や用途が背景にあります。もともとジュエリーには、富の象徴・装飾・お守りや地位などの個人を表すなど、様々な意味や価値を持っていますが、指輪は特にメッセー ジや個人を象徴する意味合いの強いアイテムと言えます。

 

アンクレット / Anklet

いよいよ足先!
ブレスレットの足首バージョンですね。90年代に日本でも流行したアイテムですが、現在ではポピュラーとは言い難いかもしれません。 やはり裸足でいることの多い国の方向けなのでしょうか?

今回も一気に羅列してしまいましたが、最後に少し面白いアイテムを紹介して終わりにしたいと思います。

ヒコ・みづのジュエリーカレッジ 講師 / 井村裕司氏 所蔵

画像のアイテムは、「ドレスクリップ / dress clips」「クリップブローチ / clip brooch」と呼ばれているものです。

私が専門学校「ヒコ・みづの ジュエリーカレッジ」に勤めていた頃から、制作はもちろん、ジュエリーの知識全般を教えて下さっている 先生にお借りしたヴィンテージのクリップです。ロンドンの蚤の市で購入したそうですが、1930年頃に流行したアイテムで、本来は対になっており、シャツの襟の両端や、開いた首まわりの端に二つ並べて付けたり、靴に付けたりもしていたようです。クリップ式のイヤリングのような金具になっていて、ジャケットの襟や帽子などにもパチパチっと止められる便利でお洒落なアイテムです。

 

季節が変わり装いが変わると、ジュエリーにも変化が欲しくなりませんか?

ネックレスの長さを変えてみたり、少し大ぶりなものを選んだり。いつもと違ったアイテムを試してみては如何でしょうか?