ジュエリーを選ぶときに大切なことって何でしょう?
それはもちろん、自分の好き嫌いで選ぶ! または贈る相手を思い描いて・・・というのが答えだと思います。実際私も、ほぼジュエリーは衝動買いです!でも私はジュエリーを作る人なので、「これは遊びで・・」とか、「これは本気!」など、自分の中にある知識を気づかないうちににフル稼働させて選んでいるのだと思います。
私のようにジュエリーを制作する側にとっては当たり前のジュエリーに関する知識も、一般に方々には???なことって沢山あると思います。少しでも知識と理解が深まれば、ジュエリーを見るのも身につけるのも、もっと楽しくなるはず!と「basic knowledge of Jewelry」と題して、ジュエリーの様々な知識をご紹介していきたいと思います。
ジュエリーの基礎の基礎、金属の話
まず始めに、ジュエリーの基礎の基礎、金属の話。
殆どの宝飾品は「金属」または「金属と宝石」でできています。 代表的なものは「金」「プラチナ」「シルバー」この3種類でしょうか。チタンやステンレス製のものもちらほら見受けられます。 そもそもジュエリーは、富や地位の象徴として位置付けられてきたものなので、希少価値のある高価な材料を使用している場合が殆どです。
そんな”特別なものを身につける”というのもジュエリーの魅力の一つです。少し金属のお話を続けると、私たち製作者たちは商品などに使用されている金属を「地金(じがね)」と呼びます。因みにこの地金ですが、純粋な金や銀、プラチナをそのままジュエリーにすることはまずありません。必ず「銅」などの他の金属を少し混ぜています。何故なら、純金や純銀は非常に柔らかく、リングなどにした場合すぐに変形し、傷だらけになってしまいます。加工や装着に適した硬さにするために、他の金属と混ぜ合わせて硬度を上げる必要があるのです。その他、金属の色味の調整のために合金化します。
18金や14金という言葉は皆さんもご存知かと思いますが、これは純金と他の金属の割合(純度)を示しています。 例えば「金」の場合、なぜか24金が100パーセントの金、純金なのです。
□18金は・・・75%が純金、残りの25%は銀と銅が混ざっています。
□14金は・・・54%が純金、残りの46%は銀と銅。
□10金は41.7%が純金ということです。
*10金に関しては、銀と銅以外の金属も混ざっている場合が殆どなのですが、その配合は企業秘密となっているケースが多いのでグラフではその他としています。
金属の色について
続いて金属の色についてです。
「カラーゴールド」と言う言葉も一度は耳にしたことあるのではないでしょうか?
先ほどお話ししたように、金の場合大抵「銅と銀」を混ぜ合わせます。例えば18金の場合、25%が「銅+銀」ですが、この銅と銀の割合で金の色合いが変わり、その色の変化ごとに名称がついています。
□ 銅と銀半々くらいのもの・・・「イエローゴールド」
□ 銅が多い・・・「ピンクゴールド」や「レッドゴールド」※赤味が増した金
□ 銀が多い・・・「グリーンゴールド」 ※白味が増して赤みが減るので、青っぽく見える
ちょっと難しいお話でしたでしょうか? 百貨店などで流通しているものはほとんどが、18・14・10金の「イエローゴールド」ですが、JEWELRY JOURNALで紹介しているデザイナーや作家・ブランドの中には、金の純度が高いものを使用していたり、カラーゴールドの特性を生かしたものがあったりします。
例えば、《ETSUKO SONOBE(エツコソノベ)》のリングは、ほとんど20金を使用しています。18金よりも金の含有率が高いので、その分黄味が濃く、金特有の優 しい暖かさがあり、シンプルで幾何学的なカットの宝石とのコントラスト魅力です。
続いて《WATARU YAMAZAKI(ワタルヤマザキ)》のピンブローチ(スタンド付き)。植物をモチーフをとした繊細な表現が魅力ですが、部分的に使用しているグリーンゴールドの涼しげな色が植物の可愛らしさの中に、凛とした空気を与えているのが印象的です。 グリーンゴールドを使用してるものはあまり市場では見かけないですね。
単純に金と言っても、その表情はさまざまです。
紹介したジュエリー達のように、細かなこだわりや工夫がされているものもあり、それらを理解して見てみるとより愛着が湧くのではないでしょうか?
次回には金属のお話第2弾として、金以外の金属(プラチナ・ホワイトゴールド・シルバー)のお話をできればと思っています。