2023年11月13日から19日の1週間、ニューヨークで開催された「NYC Jewelry Week」。
ニューヨーク中のジュエリー店、美術館、ギャラリー、教育関連施設などを拠点に開催されるこのイベントには、ニューヨークのみならず、全米中、世界中からジュエリーを愛する人々が集います。
前編に続き後編では、Lower East Side 、Brooklynでの賑やかなオープニングナイトの様子をお伝えします。
Earrings Galore
at Heidi Lowe Gallery / Norita
デラウェア州を拠点に活動するHeidi Lowe Galleyが2011年から企画している、イヤリングを集めたイベントのオープニングにお邪魔しました。
ジュエリーカンファレンスSNAG Conferenceの際に、オーナーのHeidi Loweが自身のイヤリングコレクションをホテルの一室で展示したのがイベントの始まり。
事前に公募したイヤリングを展示販売するこのイベントに、アメリカ全土のみならず、世界中から集まったイヤリングは、総勢58作家!ありとあらゆる大きさ、素材、モチーフが揃うので、このイベントを毎年楽しみにしている方が多いというのも頷けます。
日本からは、ARROが参加していて、ひときわ目を惹いていました。来場者が自由に触れることができ、試着購入もできる展示スタイルは、参加デザイナーにとっても、より身近に感じてもらえる機会であり、また、ギャラリーの編集力にも唸らされました。
こちらは、Alejadra Compos Taylorのイヤリング。展示はこのあと、Mexico City Art Weekとサンディエゴで開催されるSNAG Conferenceを巡回し、オンライン上から購入も可能です。
Anonymous Brooklyn Ultra Viewing Party
at Brooklyn Metal Works / Prospect Park North
幅広い生徒層で、ジュエリー制作初心者も安心して受講できることで定評のあるジュエリースクール、Brooklyn Metal Worksの恒例の展示は、Earrings Galoreとは対称的とも言えるかもしれません。
「Anonymous = 匿名」の通り、作品ひとつひとつには名前がついていません。ジュエリー作家であれば誰でも参加でき、早くきた人から順に壁面の好きな場所にかけることが出来ます。
私もお邪魔したViewing Party当日の3時間のみが展示の完成形であり、インスタグラム上でも全作品が価格とともに公開されます。購入も早い者勝ちで中には購入できない作品もあります。
誰の作品だかわからないからこそ、フラットに作品を楽しめる良さ。Viewing Party翌日から作品の引き取りが始まります。壁面が埋まっていく様子も、壁面に何もなくなっていく様子も、来場者も好きな時に訪れて見ることができます。
スタジオ主催者のBrian WeissmanとErin S. Dailyは、スタジオ近くでジュエリー店舗Specific Gravityも経営していて、ジュエリー作家たちに販売の場を提供しています。
Diasporan Voyage, Collaboration between Chee Lee x Marché
at Marché Rue Dix / Crown Heights, Brooklyn
人気のフレンチ・セネガル料理のレストラン、Cafe Rue Dixのオーナーが始めたネイルサロンとライフスタイルのお店、Marché Rue Dixでは、オーナーの一人であるNilea Alexanderとブルックリンを拠点に活動するCheena Mitchellのコラボレーションによるジュエリーコレクションを展開していました。
Cheenaは、チョコレート色のゴールドコーティングを施したジュエリーで人気があります。
豊かで多様性あるアフリカ文化、とりわけ北西アフリカの文化へのオマージュと、ファッション性がバランスよく表現されたコレクションは、楽しい!で溢れていました。
ローカルコミュニティー発のジェエリーがどのように広がりをみせていくのか、今後の活動も楽しみです。