愛に満ちた宝石を纏う9月の誕生石「サファイア」&「クンツァイト」

2022.9.11

昨年12月、63年ぶりに日本の誕生石が改訂され、9月の誕生石としてサファイアに加えクンツァイトが加わりました。

揺るぎない心、誠実で一途な愛という意味を持ち、永遠の愛を誓う結婚にまつわるシーンでも多く登場する「サファイア」と、その姿形からも連想されるように、純粋無垢で慈愛の心を石言葉に持つ「クンツァイト」。

華やかな夏が終わり、しっとりと秋めくこの季節になんとも情緒あふれるこの二つの宝石は、多くのデザイナーの心も掴み、上品なジュエリーに仕立てられています。

天然石は色や形の好みはもちろんですが、その石の歴史や秘めたストーリーに触れると、より一層愛着が湧き、大切に思えるもの。ぜひそれぞれのデザイナーが厳選した一石をじっくりとご堪能ください。


Sapphire – サファイア

ダイヤモンド、ルビー、エメラルドと並び4大宝石の一つであるサファイア。

空や海の青、地球の青とも称されるサファイアの名前の由来がラテン語の青色でもあるように、”青”の印象が強い石ですが、実はブルーの他にもさまざまな色のある豊かな宝石です。

古くから聖なる石として崇拝されてきたサファイアは、歴代のローマ法王や枢機卿たちが聖職者の印として身に着け、その手で人々に触れることで癒しを与えると信じられていたほどです。

旅する宝石商《bororo》らしい個性派サファイア

糸車状の形をしていて、両端の尖った縦⻑のフォルムのサファイア結晶。採掘された姿そのままをジュエリーに仕立てているからこそ、原石の表面の凹凸が一筋煌めく、カット石とはまた違う個性豊かな光の反射を見せます。

深いブルーと透き通るクリアな部分がグラデーションとなり、色の濃淡が見られるのも特徴的。天然石の美しさをそのまま身につけるというコンセプトに、産地によって異なる形や色味の表情を様々な角度から堪能できます。

Sapphire Crystal Gem Ring ¥101,200 | https://culet-web.shop/?pid=154521646


絶妙なニュアンスの《Shelby Aki》のブルーサファイア

デザイナーAKIが選び抜いたブルーサファイアは、柔らかなニュアンスが美しい一点。アンティークさとモダンさをデザインに落としこみ、細部にまで精巧につくられた美しさを、様々な角度から楽しめるリングに仕立てられています。

18金の素材感を生かした重厚な彫刻の様な石枠やアームが、サファイアが持つ美しさを最大限に引き立て、シーンや世代を超えて”カジュアルにもラグジュアリーに使えるジュエリー”を表現しています。

One n’ Only “ Derive” Sapphire Ring ¥368,500 | https://www.shelby8.com/items/28368113


光を放つ《Curva y Ruri JEWELRY》のスターサファイア

Curva y Ruri JEWELRY(クルバ イ ルリ ジュエリー)》が選んだのは、光源により表情豊かな輝きを放つスターサファイア。

アーム部分にはK18YGを、レースの石枠にはK10WGを合わせたコンビネーションで、石のサイドにはブルー(トリート)とホワイトのダイヤモンドを1石ずつ留めることにより、サファイアの持つブルーの色合いが一層引き立つ仕立てです。

スターサファイアリング ¥143,000 | Curva Salon:03-3725-2119までお問い合わせください。


そっと心を穏やかにする《TOMOKO FURUSAWA JEWELRY》の薄紅の光

デザイナーの審美眼によって丁寧に選ばれたこちらのピンクサファイヤは、淡く可憐な輝きが特長的。柔らかな光を生み出すローズカットやアームのマットゴールドも相まって、優しくロマンティックな雰囲気を纏うリングです。

ピンクサファイアを最大限美しく表現するため、石と指の空間に高さを持たせ、どの角度から見てもその色合いが引き立てられるようデザインされているところも《TOMOKO FURUSAWA JEWELRY(トモコフルサワジュエリー)》らしい魅力です。

Pink Sapphire Ring ¥110,000 | https://culet-web.shop/?pid=162727503


柔らかな美しさを放つ《MISUI》のイエローサファイア

バルセロナ発のジュエリーブランド《MISUI(ミスイ)》がセレクトしたのは、マダガスカル産で柔らかな色彩が美しい未処理のイエローサファイア。サスティナビリティを大切に、環境と地域社会への意識の深いウェニックレフェールを通じて入手されています。

TWEET(さえずり)と題されたこちらのコレクションは、実はちいさな鳥がくちばしに種をくわえている姿を表現。ゴールドのブロング(枝分かれ)により二点のみで支えられている珍しいセッティングに、愛らしいフォルムの中にも、他ではあまり見ない繊細な手法をサラリと取り入れたデザイナーの上質な遊び心が垣間見れます。

TWEET Yellow Sapphire Necklace ¥90,200 | https://culet-web.shop/?pid=167272390


Kunzite – クンツァイト

宝石について語るとき、中世の頃は・・古来より・・とその深い歴史について触れることが多くありますが、このクンツァイトは、1902年にカリフォルニアで発見された比較的歴史の新しい宝石の一つです。

その名前はこの宝石を最初に鑑別した、ティファニーの有名な宝石鑑別士ジョージ・フレデリック・クンツ博士にちなんでいますが、その色彩がアイリス(菖蒲)に似ていることから「カリフォルニア・アイリス」とも呼ばれています。

見る角度によって色が変化する”多色性”と太陽の紫外線を当てた後暗い場所で見ると光る”燐光性”を特徴に持つ、魅力的な石です。

穏やかな雰囲気を醸し出す《Fillyjonk》のクンツァイト

クンツァイト特有の透明感が高くやさしいピンク色が美しいこちらのリング。クッションカットのような角を丸くした三角形は、身につけた瞬間からそっと指に馴染み、ほんのり紫がかった上品なピンク色が、可憐な大人の女性にぴったりです。

細やかなカットによって奥深い煌めきを放ち、眺めていると穏やかな雰囲気に包まれた気持ちに。天然石の美しさはそのままに、地金で描かれた樹の枝や絡みつく根を思わせるような繊細なフォルムも《Fillyjonk(フィリフヨンカ)》ならではです。

Moss ring ¥68,200 | https://culet-web.shop/?pid=166925028


誕生石としてはもちろんですが、愛情を感じられる「サファイア」と「クンツァイト」はギフトにもぴったり。

ジュエリーに想いを託し、大切に纏う、そんな素敵なストーリーのお供になりそうなジュエリーとの出会いを願っています。



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