自然で可憐な肌に沿う、しなやかな美しさのあるジュエリー:Rubus

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JJ:
こんにちは。今日は、よろしくお願いします。まずはジュエリーに関わることになったきっかけから伺いたいと思います。坂本さんは、学生時代は何を専攻されていたんですか?

坂本:
よろしくお願いします。私は、大学ではグラフィックを勉強してたので、当時はジュエリーに進むなんて考えてなかったですね。卒業後、インテリア雑貨の会社 に就職して、その後転職を経て、アパレル雑貨の商品開発から、買い付けなどにも携わって、その中にジュエリーもあったっていうのがきっかけ。前職のときか ら少しずつ、仕事の合間で夜に職人さんのところに通うようになって、そのあと独立しました。その頃、幸いにもあるジュエリーのブランドに声をかけてもらっ て、少しずつお手伝いしたんです。実際のつくりはその仕事の中で職人さんにひとつずつ教えてもらって。ジュエリーのデザインの洋書の絵や写真から図面をよ く見たりも、しましたし(笑)。

JJ:
洋書!!すごいですね。洋書から必要な情報として図面が飛び込んでくるところが、グラフィックを専攻されていたならではの視点かと(笑)。ジュエリーに関する学びは、現場から必要になって、どんどん進まれた感じなんですね。

坂本:
はい。職人さんとは、それからの付き合いなので、最初はその洋書を見て描いた図面を元につくってもらっていた仲ですから、今はイメージもすぐ共有できるありがたい関係性を築かせてもらっています。

JJ:
Rubus.が生まれたのは、そのころですか?

坂本:
ジュエリーブランドをお手伝いして居た頃に、いろいろ自分で作りたいものも出てきていたので、暫くしてから自ブランドを立ち上げました。ブランドをはじめて、最初は友人のお洋服屋さんの隅に置いてもらったり、ごく小さい規模からスタートして、今年で7年目になります。

JJ:
数年前にこのつぶつぶのジュエリーを見たとき、すっごくときめきました。こういうのが似合う女性になりたいと、、笑。自然物モチーフというわけではないのに、自然物を身に纏う感じに近く、衝撃を覚えました。

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坂本:
そうですね。身につけてどれだけ美しく沿うかを大事にしているんです。最初に友人がつけてくれたときに、ぱっと明るく華やいだ感じがして、それから常にそういうものを作りたいと常に思っています。つけたときに馴染んで、でも煌きがあるかどうかは、大事にしてますね。

JJ:
確かに!色の石や華やかなゴールドを使っていても派手な感じではなくて、やさしく沿うというか。着けた人が、柔らかな光を得るような感じでしょうか。

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坂本:
こんな感じのものをつくりたいなと絵を描いて、試作をしたら実際身につけてみて、つけたときの美しさにこだわって、完成させています。ジュエリーをあんま りつけないという大人の女性に、選んでいただくことも多くて、嬉しく思っています。スキンジュエリーというカテゴリーのものもつくっているんですよ。シル クコードと天然石で、軽くて肌馴染みの良いお守りのような感じで。

JJ:
ああ、これもすごく素敵ですね。素材感と、色の組み合わせが自然で、ボリューム感が独特です。肌に沿う、スキンジュエリー。まさに、ですね。

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JJ:
ブランドをはじめて、一番最初にデザインしたのはどんなものですか?

坂本:
このリングなんですけど、石がきれいで、こんなにボリュームがあるのに動いて手におさまるっていう、量産するジュエリーでは実現できないこのデザインがやってみたくてつくったのが最初です。

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JJ:
きれいですね。つけてみると、、手の中のおさまりがしっくりきて、石の美しさが際立つ感じ。ずっと見てしまいますね。これ以降、Rubus.の作品たちは、どうやって生まれてくるのでしょう?

坂本:
実際につくるときは、静かなところに出向いて、集中して絵を描きます。絵を描いて、散歩して、又描いて、今回はこういう感じだな、と印象を掴むまで描いて みて。そのときに描いたもので、次に作りたいもののコンセプトが見えてきて。そこから、アトリエに帰ってきて自分の手や、職人さんと実作して、今度はつけ てみて、きれいにおさまるまで、試して完成する感じでしょうか。

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JJ:
とにかく集中して自分の作りたいものを呼び出す作業をされるんですね。インプットのために、何かしていることはありますか?

坂本:
最近になってわかったんですけど、1920年代の雰囲気はすごく好きですね。ユジェニー姫って知ってますか?マリーアントワネットが好きでコレクションし ていたっていうナポレオン3世妃なんですけど、彼女のお洋服はきれいですごく刺激を受けますね。あとは、その時代に描かれたイラストをすごくたくさん見 て、自分の中に蓄積されている気がします。特に、ジョルジュ・バルビエのイラストはすきで、よく目に入れるようにしています。

JJ:
なるほど!大人に合うクラシックな雰囲気と、しなやかなつくりはそこから来てるんですね。素材が、石、糸、布、ゴールド、シルバーと色々ですが、そういう雰囲気がすべてに共通してまとまりがあるのが、どうしてかがわかった気がします。

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坂本:
そうですね。糸の編み方にはじまり、その雰囲気は大切にしています。例えばシルバーのものも、使っていって色が変わっていったとき、しっくりくるようにつくっています。

JJ:
伊勢丹のイベントで、特に見ていただきたいものがあったら教えてください。

坂本:
この、留めのデザインにこだわったこのラインや、石そのものを活かすようにつくったこちらのラインは、また新しい雰囲気をつれてきてくれるのではないかと、ご提案したいですね。

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JJ:
落ち着いていて、クラシックなデザインを踏襲しているのに古くないデザインが素敵ですね。こちらも、身につけると肌にしっくりと来ます。

坂本:
ありがとうございます。身につけるときっとわかっていただけるので、多くの方に手にとっていただきたいです。

JJ:
是非とも、ご自分の肌の上に馴染む体験を、していただきたいですね。

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学びの元が洋書であったり、インスパイアされるのがイラストであったりという2次元的視点が興味深く、また自然な存在感ながらクラシカルな雰囲気のルーツがどこにあるかなど、Rubus.の根元を伺うことが出来、穏やかな時間の通り過ぎるインタビューとなりました。

interviewed by Hiromi Midorikawa
Rubus.:http://www.rubus.jp/