スペイン発ジュエリーブランド《JOAQUIN BERAO》が特別写真『LA VIDA ES UN VIAJE / Life is a journey』を開催

優美で大胆な曲線美、自然世界を映し出す造形が魅惑的なスペインのジュエリーブランド《JOAQUIN BERAO(ホアキン・ベラオ)》。昨年日本再上陸した《JOAQUIN BERAO (ホアキン・ベラオ)》が西麻布SHOP&SHOWROOMのオープンを記念し、特別写真展を開催している。植物や動物、音楽など、自然世界が生み出すすべての美しさを肯定するような、ホアキン独自の世界観はどのように形成されたのか。今回の写真展のため来日したホアキンに、展示された写真から映し出される人生の軌跡を語ってもらった。

「入り口近くに展示された写真(写真上)は、マドリッドのアパートでジュエリーを作り始めた頃の写真です。15才で親戚が経営する宝飾店に見習いとして入り、模索しながらも、自分の手で、自分の力でこの人生を切り開いていこうと、創作活動に打ち込んでいたことを思い出します。当時はヒッピー全盛期だったこともあり、私もかなり中性的な雰囲気ですよね。この時から現在にいたるまで、ものづくりに関しては、常に深い愛情、情熱を持って挑戦、追及し続けてきました。アーティストというのは人生すべてを創作につぎ込むものであり、私もまた自分の人生で享受した全ての要素をジュエリーに込めています。そしてその要素の多くは旅からインスピレーションを受けたものなのです」。

旅先での一瞬を切り取ったノスタルジックな写真たちが、その記憶を具象化したかのようなジュエリーとともに並ぶこの展示会。初めてこの場所に来た際、ホアキン自身も感嘆の表情を見せたという。旅はホアキンの人生において、一体どのような影響を与えたものであったのだろうか。

「まだ自分がどういう道を進めばよいか、どのようなものを作ったらよいか思案している時に、旅というものは私に大きな影響を与えてくれました。見たこともない自然の風景、刺激的な出来事との会遇、人々との交流、そこから生まれる愛情……。そのすべてが重層的に私のクリエイションに結合してくれているのです。たとえばキューバ。キューバは特に音楽と深い結びつきがある国であり、そこで流れるサルサのリズム、また旋律は、エルソンシリーズの躍動感あるフォルムを導き出してくれました」。

居住地を一つに決めず、様々な土地を移動しながら、作品を続けていたホアキン。美しいものを捉える繊細な感覚、形なきものの輪郭を掴む独特の視線は、旅を続けてきたホアキンだからこそ身に付けられた彼の財産なのかもしれない。

「旅からは本当に色々なことを経験させてもらいました。アフガニスタンに行った時は、今では見ることが難しいバーミヤン渓谷の前に車中泊したこともありました。夜、真っ暗な中に到着したので、辺りがまったく分からなかったのですが、朝、屋外の洗面所で顔を洗っていて、顔をあげたら鏡越しにものすごい絶景が広がっていて。その当時、アフガニスタンはまだそこまで情勢が悪くなく、自然が形成する美しさにただただ感動しました。反対にトルコはかなり治安が悪く、危ない目にも合いました。盗賊が出没する谷間近くで野宿をする際は、現地の警察が周りを囲んでくれたりもしましたね。この(写真上)移動用の車はスペインで買って、自分で改造しました。ベッドを外せばテーブルにもなって、快適な我が家でしたよ」。

写真を見ながら懐かしそうに話すホアキンに、次の目的地を聞いてみた。

「次に旅をするならばアフリカに行ってみたいと思っています。ピカソは部屋にアフリカの仮面を飾るなど、アフリカの原始文化から多大なる影響を受けています。アフリカ美術の大胆で神秘的な美しさ、そして豊かな自然はこの上ないインスピレーションを与えてくれるのではないでしょうか。アフリカでは古来、呪術的、また信仰的に装身具として人々が色々なデザインのアクセサリーを身につけていました。そのような意味でも私のジュエリーとどのような反応を起こすのか楽しみです」。

ホアキンはまだ旅の途中である。《JOAQUIN BERAO(ホアキン・ベラオ)》のダイナミックでいて繊細なエレガンスは、深遠なる歴史の上でまだまだ進化している。過去と現在、その循環の中、また新たな《JOAQUIN BERAO(ホアキン・ベラオ)》の魅力を再発見できる写真は10月18日まで展示中。

Profile 《JOAQUIN BERAO（ホアキン・ベラオ）》
1982年の創業以来、スペイン・マドリッドを拠点に展開しているジュエリーブランド。彫刻や建築を思い起こさせる圧倒的な造形美と、身につける人を引き立てる主張しすぎないエレガンス。それらが一体となった個性滝なデザインで、日本でも多くのファンを持つ。デザインから制作、最終工程の磨き仕上げまで一貫してマドリッド自社工房の熟練職人の手作業によって行われており、そのクオリティはスペイン王室も顧客に抱える。1989年、ミラノに直営店をオープン。日本では1990年から2014年まで展開。4年のブランクを経て、2018年より再上陸を果たす。
公式HP | http://joaquinberao.jp/
Instagram | https://www.instagram.com/joaquinberaojp_official/