Spinelli Kilcollin(スピネリ・キルコリン)インタビュー – 後編

Spinelli Kilcollin

Spinelli Kilcollin 大胆でエレガント、そして自由なスタイルを叶えるジュエリーとして、世界中のジュエリーラバーを魅了している《Spinelli Kilcollin(スピネリキルコリン)》。

デザイナーであるイヴ・スピネリ(Yves Spinelli)とドワイヤー・キルコリン(Dwyer Kilcollin)のお二人にお伺いしているインタビューの前編に続き後半は、オープンしたばかりの《Spinelli Kilcollin(スピネリキルコリン)》の2つのショップについて、そしてお二人のプライベートまでお伺いしています。

 

世界観の異なるNYとLAの店舗

《Spinelli Kilcollin(スピネリキルコリン)》は、2024年にニューヨークの旗艦店、そしてロサンゼルスにショップをオープンし話題になっています。 それぞれの店舗について、少しご紹介いただけますか?

ドワイヤー:
ニューヨークの旗艦店は、ソーホーの中心に位置し、美しい石畳の通り沿いにあります。店内に入ると、未来的でありながら温かみのある空間が広がっています。ディスプレイケースが迷路のように配置されていて、回遊しながら楽しめるデザインになっています。

店内にはアルミニウムを多く使用し、ブランドのデザインにおける素材と金属のこだわりを反映。壁面には私の制作した、2階ほどの高さがある大きなアート作品が2点飾られており、壁と一体化するよう白く塗りました。



中2階からはメインの販売フロアを見下ろせるようになっており、婚約指輪やカスタムデザインのご相談を承るプライベートなスペースにしています。

一方ロサンゼルスの新しい店舗は、まったく異なる雰囲気です。

こちらの店舗がオープンしたのは、アートギャラリーや新しいレストランが続々とオープンし、素敵なコミュニティの一体感を感じるエリア。ロサンゼルスらしいお買い物スタイルに合わせ、リラックスできる、ゆったりとした空間にしました。 店内には私たちの個人コレクションのアート作品(主に友人の作品ですが)が飾られていて、それを見に訪れる方もいるほどです。

ゆったりくつろげるソファで、カスタマイズの相談をしながら過ごせるようにもなっています。最新のコレクションももちろん展示していますよ。 その土地に根差した空気感を醸し出しながらも、《Spinelli Kilcollin(スピネリキルコリン)》らしい世界観、そして、お客様との対話を大切にするスペースを重視していることも印象的なニューヨークの旗艦店と、ロサンゼルスの新店舗。

ここからは、その世界観を構築する、イヴとドワイヤーのプライベートにも迫ってみます。


イヴとドワイヤーの自分時間

仕事とプライベートを共にするイヴとドワイヤーですが、それぞれ何か自分時間に楽しむ趣味やルーティーンはあるのでしょうか?

ドワイヤー:
仕事がとても忙しくて、最近はなかなか趣味の時間を取れていませんが、昨年はしばらく乗馬をしていて、とても楽しかったです。 また、以前はサンタモニカ山地で隔週ロッククライミングをしていたので、また再開したいと思っています。

イヴ:
私はレコードを大量にコレクションしていて、ヴィンテージのオーディオシステムShindo HiFiを愛用しています。 毎日少なくとも2時間はレコードを聴きながら音の世界に没頭する時間を作るようにしています。

これがリラックスにもなり、集中力を保つ助けにもなっています。 アクティブな趣味のドワイヤーとインドアで没頭するイヴ、それぞれの自分時間はバリエーションに富んでいますね。

イヴとドワイヤーのファッション観

お二人といえば、ファッションセンスも注目されていますが、どんなスタイルがお好きなんでしょうか?
ドワイヤー:
私のファッションスタイルは、大胆で実験的。新進のデザイナーや、独創的なアイデアを持つブランドが好きです。

お気に入りは、コリーナ・ストラーダ(Collina Strada)、テルファー(Telfar)、オットリンガー(Ottolinger) など。 それから、最近はブレイノ(Bleinot)の新作シャツも気に入っています。これは、ロンドンのブラウンズ(BROWNS)の販売員であるレネ(Rene)が立ち上げたブランドです。

靴も大好きで、長年こだわって選んできました。ここ2年はメゾン ミハラヤスヒロ(Maison MIHARA YASUHIRO)の靴を履いていて、その前はサレへ・ベンバリー(Salehe Bembury)のクロックス、さらに前はイージー フォームランナー(Yeezy Foam Runners)、その前は外履き用のアグ(UGG)のふわふわレオパードスリッパ、ケンゾー(Kenzo)のマーブルオックスフォード、ベルンハルト・ウィルヘルム(Bernhard Willhelm)のスノーレオパード柄のカンペール、リック オウエンス(Rick Owens)のコンバース風クリームレザーシューズ などを履いてきました。

子供の頃は花柄のドクターマーチン(12ホール)を履いていて、ピンクと紫のシューレースを通していました(笑)。実は今でもクローゼットにあって、時々履いています!

ドワイヤーの花柄のドクターマーチン

イヴ:
私は、現代的なデザイナーの服とヴィンテージアイテムをミックスするスタイルを楽しんでいます。

お気に入りのブランドはコム・デ・ギャルソン(Comme des Garçons)、メゾンマルジェラ(Maison Margiela)、リック オウエンス(Rick Owens)、ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)など。 これらのデザイナーは、時代を超えて長く着られるデザインと、細部へのこだわりが素晴らしいんです。

続々と好みのブランドを紹介してくださるお二人のファッション熱が熱いことが伝わってきますね。日本ではまだ馴染みのないブランドも並び、参考になります。

ファッションの中でも、特にジュエリーの好みはどうなのでしょうか。ジュエリーが、お二人にとってどんな存在なのかも伺ってみました。 


イヴ:
私は常にアクエリアスリングを身につけています。

今は、すべての指にスピネリキルコリンのリングを着けていて、最近はカストロ・スミス(Castro Smith)のシグネットリングも愛用しています。

ドワイヤー:
毎日沢山のジュエリーを作っているので、私は新しいデザインを試着し、日常生活での着け心地を確かめることが多いです。

薬指につけているリングもよく変わり、時に複数の指にまたがっていたりするので「婚約指輪はどれ?」と聞かれることもあるくらいです。でも、私にとって、どのリングもすべて婚約指輪みたいなものなんです。全て、イヴと私との関係の始まりを象徴している大切な存在だからです。

イヴ:
私たちは、「スピネリキルコリンのジュエリーは着用する方の好みに合わせて自由に楽しんでもらいたい」と思っています。

例えば、私はアクエリアスリングを3本の指にまたがるように着けるスタイルが好きですが、多くの方は1本の指にスタッキングするのを好まれます。特に日本のお客様はとても独創的で、指からぶら下げるように着けたり、チェーンに通してネックレスにしたりと、さまざまな楽しみ方をされています。どんな着け方でも正解なんです!

お二人自身が自由に、楽しみながら《Spinelli Kilcollin(スピネリキルコリン)》のリングをつけ、またお客様が発見した新たな着用スタイルを、寛容に受け入れる姿がとても印象的でした。

最後に、今後の《Spinelli Kilcollin(スピネリキルコリン)》について、日本のファンの皆さんにメッセージをいただきました。

イヴ:
10年前、ロンハーマンジャパンで《Spinelli Kilcollin(スピネリキルコリン)》が日本に紹介されて以来、大好きな日本の成長を見守ってこられたことは、まさに夢のようです。これまで日本のさまざまな都市を訪れ、多くのお客様にもお会いできました。 これからも日本の皆さんに、新しいデザインを紹介し、新しいお客様との出会いを大切にしながら、さらにブランドを成長させていきたいと考えています。

新しい店舗もオープンし、今後は、お客様とより直接的に繋がれるように、イベントの開催や、ジュエリー以外の新しい商品展開など新しい方法で、《Spinelli Kilcollin(スピネリキルコリン)》を通じた体験をさらに深めて行けたらと考えています。


2025年にはロンドンにも店舗をオープンしたいと意欲を見せるイヴとドワイヤー。ニューヨークとロサンゼルスの店舗を見ていると、このロンドンの店舗がどのような装いになるのかも、ワクワクしてやみません。

いつの日か、ここ日本にも《Spinelli Kilcollin(スピネリキルコリン)》の店舗ができることを楽しみに、今後の展開をさらに期待したいブランドです。


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