新たなクリエーションを発信するブランドで構成されたフレッシュな展示会、”New Jewelry -plus-“が、9月4日(金)〜6日(日)の3日間、クラスカ The 8th Galleryにて開催されました。このイベントに出店された一部ブランド・デザイナーをご紹介、後編です。前半はこちら。
今回の出店者の中で、かなり異彩を放っていたETSUSHI(エツシ)。 ブローチはなんと、ミシンで縫って制作するそう。展開しているすべてのアイテムは、オリジナルの図案で、意図のある絵柄から、なんとなく気になる形など 様々。
学生として建築を学びながら、趣味としてミシンを購入し洋服を直したり縫ったりしていたら、作品作りに目覚めてしまったことがブランドスタートだというETSUSHIさん。ひとつひとつのモチーフについて尋ねていたら、すっかりユニークすぎる世界観の虜になっていました。センス抜群です。
Yoshie Komazaki さんが一点一点手作業でされるアクセサリーを展開する、comado(コマド)。 日常的に身につけられ、華やかで、ポジティブで、シックで、ユーモアがあることがコンセプト。デザイナーの駒崎さんは、まさにそのコンセプトを体現したような雰囲気の女性です。
中でも、リングの輪郭を切り出したリングは個性的。また、樹脂をあしらった ピアスなど、ブランド名にあるように小窓から射し込む光を見つけたときのような歓びを感じさせてくれるアクセサリーが並びます。
ジャンルや素材に拘らず、元気をもらえる様な作品作りを心がけているというmm(ミリ)。つけた人を元気づけてくれるチアガールのポンポンモチーフのピアスや、西陣織の絹糸で編まれたリングケースなどを展開。ネイリストでもあられるデザイナーが手がけるのは、ネイルにも通じる発色のよいアクセサリー。
このピアスは、キャッチ側にポンポンが付いていて、身に付けると耳からはみ出してくるデザインなのです。キラキラした鮮やかな色味と、デザイナーのハキハキ明るい人柄に、元気をもらえること間違いなし。
シーチングを使ったアクセサリーを展開するKINARIYA(キナリヤ)を展開される須田純一郎さん、須田理砂さん。お二人は元々アパレル出身で、自然に、仮縫いに使われるシーチングという生地にたどり着いたそう。普段は主役にならない生地を主役に仕立てていました。ヘアバンドや、バッグも作られているそうです。
ブランドの文字通り生成りのアクセサリーでありながら、構造的で堂々とした存在感がナチュラルになりすぎず、着ける方の個性を浮き立たせます。
KYOKO TSUDA(キョウコ ツダ)。 東京藝術大学でグラフィックデザインを学ぶ傍ら、セルフプロジェクトでジュエリーデザインをスタート。アップサイクルをテーマにしたアクセサリーや、磁器が生み出す表情を切り出したジュエリーなど、「様々な素材で表現すること」に取り組んでいるかのよう。そのアプローチは、よく見るととてもグラフィック的でもあります。
色合いなどのセンスはさることながら、直感的な中に鋭い着眼点や奥に秘めたその思想が見え隠れ、強い作家性を感じました。New Jewelry -plus- らしい若い才能。これからが楽しみです。
※New Jewelry 2015 @ 3331 Arts Chiyoda 不参加
レポート取材時は、レセプションパーティだったため、New Jewelry にちなんだキラキラしたフードも登場、ケータリングは、HOO.のフードインスタレーション。「遠くの風景と、ひとさじのスープ。世界とわたしの手のひら は繋がっている」 をコンセプトに活躍される、高岡友美さん・永森志希乃さんによる人気のフードユニットが、New Jewelry を象徴するかのようなキラキラのジュエリーのような、目にも美味しいフードでお出迎えしてくれました。
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以上、前・後編に渡り11組をご紹介しました。各ブランドがそれぞれ異なるコンセプトやアプローチでジュエリーを発表していますが、デザイン・ものづくりに想いを馳せ制作しているというところは共通しているポイント。これからの展開が、とても楽しみです。
前後編でご紹介したブランド(一部ブランドを除く)を含む総勢100組のブランド・作家が参加するNew Jewelry 2015 はいよいよ12月4・5・6日の開催です。詳しくはこちらより、ご覧ください。
interviewd by Hiromi Midorikawa
photo by Yuka Yanazume