ヴァン クリーフ&アーペル TEFAF 2025出展

オランダ - 3月13日-20日
2025.3.31
ネックレス、1955年 プラチナ、ターコイズ、ダイヤモンド(ヘリテージ コレクション)
ネックレス / 1955年 / プラチナ、ターコイズ、ダイヤモンド(ヘリテージ コレクション)

2025年3月13日(木)〜20日(木)、TEFAF(テファフ:The European Fine Art Foundation)がオランダで開催したアート&アンティークフェアに、《Van Cleef & Arpels(ヴァン クリーフ&アーペル)》が出展しました。

ヴァン クリーフ&アーペルがアート市場最大のイベントに参加

国際的なアート市場における最大級のイベントである、TEFAFのアート&アンティークフェア。毎年世界各国から愛好家やコレクター、公的・私的機関の代表者らが集まります。

《Van Cleef & Arpels(ヴァン クリーフ&アーペル)》は12年間にわたって本展に参加しており、今回はヘリテージ コレクションから約30点の作品を出展。これらの作品はメゾンのスタイルを体現するものであり、ジュエリー制作の進化と、20世紀の装飾美術においてメゾンが果たした役割を示しています。

アレクサンドリーヌ・マヴィエル=ソネ(ヴァン クリーフ&アーペル パトリモニー&エキシビション ディレクター)

パトリモニー&エキシビション ディレクターのアレクサンドリーヌ・マヴィエル=ソネは、TEFAF参加によせてこのようにコメントしました。

「メゾンがTEFAFのような権威あるイベントに参加することは、私たちが長年追及してきたアプローチの一環であり、芸術におけるジュエリー制作の位置づけを明らかにします。」

ブレスレットに形を変えるアンジュー ネックレス / 1973年 / イエローゴールド、パール、ダイヤモンド(ヘリテージ コレクション)

メゾンの発展の軌跡を示すヘリテージ コレクション

2007年に誕生したヘリテージ コレクションは、1920年代から1990年代にかけてメゾンが制作した過去の作品を集めたもの。現在ではジュエリー、ハイジュエリー、貴重なオブジェなど約150点の作品が揃い、購入することができます。

個々の作品は、ヘリテージ コレクションに加えられる前に、《Van Cleef & Arpels(ヴァン クリーフ&アーペル)》の専門家により入念な検査がなされます。アトリエでは、職人が作品の状態と素材を分析。洗浄を経た作品はサヴォアフェールと高い基準に則って、必要な修理が施されます。

一方、作品のアイデンティティを保証するのが、ヘリテージ部門のバイヤーです。パトリモニー部門の協力を得て、顧客ファイル、会計帳簿、保管されているドローイングなど《Van Cleef & Arpels(ヴァン クリーフ&アーペル)》のアーカイブを仔細にわたって調査し、作品の真正性を確認。この認定を前提条件として、各作品がヘリテージ コレクションに加えられ、販売可能となるのです。

ナターシャ・ヴァシルチコフ(インターナショナル ヘリテージ リテール 開発ディレクター)

インターナショナル ヘリテージ リテール 開発ディレクターのナターシャ・ヴァシルチコフはこう語っています。

「TEFAFで展示されるヘリテージ コレクションの作品を通し、ヴァン クリーフ&アーペルの豊かな創作にスポットを当て、1920年代から1990年代に至るメゾンのスタイルの発展を紹介しています。」

ヘリテージ コレクションのハイライト

ネックレス / 1955年 / プラチナ、ターコイズ、ダイヤモンド(ヘリテージ コレクション)

18世紀のジュエリー制作の芸術が再び脚光を浴びる最中の1906年に創業したメゾンは、当時の歴史主義の嗜好に沿った作品を発表していきます。特に1950年代は、定期的にこうしたテーマに立ち返っていました。

このネックレスは、上記のような芸術的伝統が《Van Cleef & Arpels(ヴァン クリーフ&アーペル)》の創造性に与えた影響を示す作品です。ネックレスの下部を装飾するのは、ダイヤモンドをあしらった花綱飾り。花のモチーフと交互にターコイズのカボションが徐々に大きくなるよう配され、中央で左右のラインがひとつに交差します。

これらの要素はブルーの石とダイヤモンドの組み合わせと相まって、18世紀に人気を博したリングを彷彿とさせます。そのリングは「デイジー」と呼ばれ、小さなダイヤモンドが中央の石を取り囲むデザインを特徴としていました。

しかし1955年に制作されたこのネックレスは、ある点で「デイジー」とは異なっているとも言えるでしょう。伝統的なファセットを施したストーンをターコイズ カボションに置き換え、カラーとシェイプの相乗効果により、作品全体に生き生きとしたモダンな表情を添えているからです。

マルグリット クリップ / 1964年 / イエローゴールド、ホワイトゴールド、ローズゴールド、エメラルド、ダイヤモンド(ヘリテージ コレクション)

《Van Cleef & Arpels(ヴァン クリーフ&アーペル)》は創業以来、自然、特に植物を主要なインスピレーション源のひとつとしてきました。アーカイブによれば、1907年にはすでにデイジーのモチーフが登場し、以降さまざまな形で定期的に再解釈されています。

1964年のこのクリップは、自然主義に則り可能な限り忠実に花を写し取っています。繊細な花びらが精巧に重ね合わされ、まるでそよ風に吹かれて浮かんでいるかのよう。こうした配置によって立体的なボリュームが生み出されるとともに、極めてリアルな動きと生命感をもたらしています。

このような手法は創造性溢れるメゾンのヘリテージに則したものである一方、素材の組み合わせは1960年代のスタイルの典型です。ダイヤモンドをセットする土台として伝統的に好まれていたホワイトゴールドやプラチナに代わり、より鮮やかな輝きを放つイエローゴールドが選ばれました。この色調は、雄しべを想起させる7石のエメラルドによってさらに引き立ちます。

日中身に着けるジュエリーはイエローゴールドとカラーストーン、イブニング用にはホワイトゴールドと貴石という区別がはっきりとなされていた当時において、この作品はそういった慣習をエレガントに打ち破りました。

オルセー ブレスレット / 1994年 / プラチナ、イエローゴールド、トラディショナル ミステリーセット ルビー、ダイヤモンド(ヘリテージ コレクション)

ミニマルなバングルシェイプのオルセー ブレスレット。控えめなモチーフが整然とシンメトリーに配され、内側のパヴェ ダイヤモンドがグラフィカルなラインによって外側と呼応します。

ダイヤモンドとカラーストーンを組み合わせた構成は1990年代の典型。一方でこの作品に採用されているサヴォアフェールは、メゾンのヘリテージに根差すものです。1933年に特許を取得したミステリーセットは、《Van Cleef & Arpels(ヴァン クリーフ&アーペル)》のスタイルのアイデンティティに大きく貢献してきました。宝石を固定する土台を隠すこの技法は、表面に魅惑的で深い色合いをもたらします。

この作品では、トラディショナル ミステリーセット ルビーがブリリアントカット ダイヤモンドとの美しいコントラストを実現。また、クロスステッチのモチーフを描くダイヤモンドは、メゾンにとってもうひとつの大切なインスピレーション源であるクチュールを想起させます。

特徴的な時代の技法やスタイルが調和したこの作品は、《Van Cleef & Arpels(ヴァン クリーフ&アーペル)》がどのようにヘリテージを生かしながら、多様な要素が融合する作品を創り出してきたかを物語っています。

豊かな創造性と卓越性により世界的な名声を得るようになった《Van Cleef & Arpels(ヴァン クリーフ&アーペル)》。今回展示されたヘリテージ コレクションの作品から、メゾンのスタイルの真髄、そして時代と共に変遷してきた芸術とジュエリーの在り方を垣間見ることができます。

ヴァン クリーフ&アーペル ヘリテージ コレクション
URL:https://www.vancleefarpels.com/jp/ja/home.html


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