ここ数年、ファッション業界に旋風を巻き起こしている「ジェンダーレス(Genderless)」。メンズコレクションで加速するレース使いや、マキシスカートのようなルック、カジュアルブランドから続々発表される男女兼用ファッションなど、性差の境界を超えておしゃれを楽しむ日常が、すぐそこまできています。
ジュエリーの世界では、以前からジェンダーレスのアイテムをデザインするブランドが多く見受けれられますが、今回の特集では改めて、その魅力に迫ります。
さりげない主張、こだわりのチェーン選び
どのようなスタイリングにも欠かせないアイテム、チェーン。ペンダントトップをつけたり、宝石をあしらったりと魅せ方は様々ですが、シンプルにチェーンのみで構成されたジュエリーは、男女問わず着用しやすいと人気です。今回はデザイン力に定評のあるブランドより、チェーンそのものにこだわったジュエリーをご紹介します。
talkative「WISH Necklace Spiga11 95CM」
「もっと自由に、ボーダーレスに。」をブランドコンセプトに、現代を自分らしく生きるすべての人の日常に、ささやかなウィットと輝きを添えるジュエリーを展開する《talkative(トーカティブ)》より、<WISH>コレクションのネックレス。写真のように何重かに巻いてブレスレットとして楽しむこともできます。
チェーンが主役のミニマルなデザインは、多様なファッションに親和性の高いデザインでありながら、長さを活かして様々なスタイリングを愉しめ、まさに「お守りのように身に着けられる、日常に寄り添ったジュエリー」。アートピースのように洗練された佇まいや、そのストーリー性が男女問わず幅広く人気を集めています。パートナーとペアでの着用もお勧めです。
「WISH Necklace Spiga11 95CM」 ¥349,800(税込) | https://store.talkative-jwl.jp/ja/items/47501
Shelby「Fusionline」Necklace
「ジェンダー・年齢を超えて」というデザイナーの想いが込められた<Beyond>コレクションより発表されている、イエローゴールドとプラチナの異素材チェーンを使った「Fusionline」シリーズ。《Shelby(シェルビー)》の特徴のひとつでもあるアシンメトリーデザインを進化させた、デザイナーこだわりの2021年新作です。
こだわりのチェーンは、日本の老舗チェーンメーカーに依頼。異なる素材を美しく「融合(Fusion)」させ、カラーのコントラストとチェーンのしなやかな「ライン(line)」が生み出す新たな表情が、ジュエリーのコーディネートの幅を大きく広げてくれます。
Fusionline Necklace (40cm) ¥110,000(税込) | https://www.shelby8.com/items/53800088
※画像のチェーンピアス「Fusionline Pierced Earring(10cm)¥30,800(税込)」も同シリーズ。詳しくはこちらよりご確認ください。
スタイリングを引き締める、ブラックの存在感
カラフルなジュエリーはまだ女性が着用するものとして連想されがちですが、ブラックを効かせたシックなアイテムは男女ともに取り入れやすいカラー。ファッションの延長としてセレクトしながら、お気に入りの一品を探してみてください。
sumiiro 「halo ペンダント」
シンプルながら洗練されたデザインで、全てのアイテムを、ジェンダーレス、エイジレスに展開する《sumiiro(スミイロ)》。
こちらは、丁寧に磨き上げた量感あるシルバーのリングを、ブラックの革紐でクールに引き締めたネックレスです。留め具をスライドさせることで、好みの長さに調整できるので、首回りのサイズ感や、装いにあわせて自由なアレンジが可能。パートナーとのシェアやぺアイテムにもおすすめです。
「halo」ペンダント ¥34,100(税込) | https://new-jewelry.shop/items/61910c007d5d813efe1cf40b
ManiheeL JEWELRY「YUNICO オニキスリング」
男性的なという意味のマニッシュと女性を象徴するハイヒールを合わせた造語がブランド名の《ManiheeL JEWELRY(マニヒールジュエリー)》。「好きなファッションを、好きなように楽しもう。」という意味が込められており、性別や、年齢、特定のカテゴリーをベースとしないデザインを展開しています。
デザイナーが彫刻したオニキスのカービングルース「YUNICO」を使用したこのリングは、一見シックな出立ちながら、よくみるとハードなスパイスが効いており、「Rock & Classic」をテーマに据えるマニヒールジュエリーならでは。ジェンダーの概念にはとらわれず、そこに境界線はありません。
YUNICO オニキスリング ¥286,000(税込) | https://maniheel.stores.jp
※その都度制作しているため、価格は相場により変動します。
語りたくなる、構造的なディテールに注目
デザイン要素にプロダクト的な思考が入ったジュエリーは、その特徴的なフォルムや着用の仕方、こだわりのデザイン源を語りたくなります。遊び心も満載なので、プレゼントとして選ばれることも多いのが特徴。男女ともに、ぐっと心を掴まれそうなジュエリーをご紹介します。
yumico lucau「Touchリング」
「両手をつなぎ合い輪をつくる」をイメージした《yumico lucau(ユミコルカウ)》のユニセックスリング。触れ合う柔らかで優しい思いが、硬い金属で表現されています。
ゴールドとプラチナ、2つのパーツが個々を大事にしながら寄り添う様は、多様性を尊重する証。そして、自分の境界線を越えて他人に働きかけ「触れる」ことで繋がる思いこそが、ジェンダーレスへのデザイナーの意思を表しています。
Touchリング – square M ¥242,000(税込)/ square L ¥308,000(税込) | https://new-jewelry.shop/?category_id=5fc36689da019c28234384c2
mica jewelry works「花挿しブローチ」
“手のひらに収まる小さな装身具”をテーマに、ジュエリーや室内装飾品を提案する《mica jewelry works(ミカジュエリーワークス)》のブローチ。
“いつも心(胸元)に花を”というメッセージが込められているこの花器のブローチは、花器を花ごと纏うという遊び心溢れる一品。上部に穴があり実際に水を入れ花を生けることも可能なので、シンプルなファッションに一点添えるだけで、男女問わず話のきっかけを作ってくれそうです。
花挿しブローチ ¥27,500(税込)| https://micajewelry.thebase.in/items/53588751
TAZOE「small factory ring」
東京都大田区を中心とした町工場とアーティスト田添かおりが連携して製作を行うアートジュエリーブランド《TAZOE(タゾエ)》のリング。大田区エリアに多数存在する、機械産業品向けの精密加工生産をする町工場をヒントに、ボルトやナット、時計などの金属加工部品をイメージしたシャープなデザインが遊び心をくすぐられると人気を集めています。
ヘッドパーツとリングパーツがそれぞれネジ付きとなっていて、組み立てて完成する仕組みなので、パーツを交換したり、お気に入りの組み合わせを発見したりと楽しみが広がります。ヘッドを共有して、カジュアルなペアリングとして着用してみても。
「small factory ring」(画像はリングとパーツの組み合わせ見本)リングとヘッド1個から
¥8,800(税込)〜 | https://tazoe.thebase.in/categories/2477289
人気ブランドがデザインするジェンダーレスジュエリーの数々。その概念やデザイナーの想いに触れると、セレクトの幅が広がります。後半は、さらにバリエーション豊かな9ブランドのジェンダーレスジュエリーが登場します。